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 新たに米国との貿易協定交渉を開始することを安倍首相とトランプ大統領は合意したと報じられた。この貿易交渉を日本政府はFTAではなくてTAG(Trade Agreement on Goods) 物品貿易協定というものだと国内向けに説明した。こんな言葉、この名称に誰もが驚いた。政府の説明はこれはFTAとは異なるものであるという。米国が脱退したTPP協定をTPP11として関係国と合意した日本としては、新たな二国間貿易協定は行わないという方向性を示していた。その方針が変わったととらえられるの、を避けるためだと思われる。米国のメデイアは日米がFTA交渉開始で合意したと、報じている。これはFTAなのか、そうでないのか。TPPの再交渉ではないのだろうか。常識ある人間であれば、結論は明らかだろう。事実は日米が二国間の貿易について交渉を始めるということである。
 自由貿易を維持できるのか、日本の産業、農業にとってよいものができるのか。本質的問題はそこにあるのだと思う。その是非はまずおいておいて、私の最も驚いたことは、この交渉をTAGというこれまで使われてこなかった概念だと、胡麻化そうとする、はっきり言って嘘をつく安倍政権の態度だ。
 これまでも突然世の中に使われていない言葉を使い、めくらましのように国民を幻惑させてきた。例えば積極的平和主義、働き方改革。結びつけられた言葉、部分は、よく用いられる、自明のものであっても、それをつなぎ合わせたものは新語、造語であり、元の言葉の意味とは異なっている。いわゆるレトリックという手法だ。政治はレトリックでもなければ、スローガンの連呼でもない。肝心なことは政策を、国民誰もが理解するように、説明し、合意を形成することだ。この説明をするという、当然の義務、行為を、避けようとしている。
 TPPには異論があるが、超大国米国が貿易交渉を強く求めるのであれば、それを拒否することは困難だと思う。国民の多くにとっても容易に分かることである。その事実を、TPP/FTAと同種のものであることを、率直に明らかにしたうえで、日本にとって望ましい日米の経済関係の強化を図る交渉とするべきだ。それを行わずして、言葉でレトリックで逃げようとする、それはかのアジア太平洋戦争での指導者達に通ずる。敗北による撤退を転進といい、集団自決を玉砕といい、敗戦を終戦と言い換える。国民を信用しない、自分たちのことしか考えない。嘘をつくことに恬淡として恥じない。倫理心を失った政治指導者にこのまま従っていたら、国家の自殺に行きつくだろう。

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